お茶あれこれ〜お茶のQ&A [18]
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お茶と農薬

Q71. お茶の栽培にも農薬は使っているのですか?散布はどんな農薬を年
    間何回?また、残留農薬の規制はあるのですか?

Q72. お茶を入れる時、一煎目を捨てて二煎目から使う人がいますが、何
    か意味があるのですか?農薬を気にしているとしたら、そうするこ
    とのよって農薬は洗い流せるのですか?

Q73. 無農薬のお茶とそうでないお茶で入れた時、成分とかが違うのでしょう
    か?

Q74. 無農薬茶を買ったのですが、とても安くてびっくりしました。無農
    薬だと手間がかかって割高になると思うのですが・・・?本当に農
    薬を使っていないのでしょうか?

Q75. 無農薬茶についてのボーダーラインのようなものがあったら教えて
    下さい。

Q76. 外国産の農産物は農薬をたくさん使用していると聞きましたが、輸
    入されるお茶は大丈夫でしょうか?

Q77. 自宅の生け垣がお茶の樹なのですが、害虫はほとんど見受けられま
    せん。経営栽培の場合は害虫が発生して防除をすると思いますが、
    これは自家消費のための小規模生産と大量生産の違いなのでしょう
    か?


Q71.お茶の栽培にも農薬は使っているのですか?散布はどんな農薬を
   年間何回?また、残留農薬の規制はあるのですか?

A.他の作物と同じように、お茶の栽培にも一般に農薬を使用しています。
  飲んでおいしいと感じられるお茶の樹、特に品種化された茶園ほど虫
  や病気の標的になりやすいので、収穫期を避けて、年間4〜5回程度
  必要最小限の防除が必要になります。
  害虫の代表的なものは、ハマキムシ(葉を折り畳んで卵を産み、ふ化
  した幼虫が葉を食害します。)やダニ、(葉や茎枝に付いて樹液を吸
  います。)カイガラムシ(枝に付いて樹液を吸います)などです。病
  害としては、炭そ病(葉が褐変)やもち病(葉が白くふくれる)が代
  表的です。
  農薬を散布しなければ、これらの病虫害を避けられず、緑茶の需給安
  定は望めません。十分な安全性を確保した上での防除は、低コスト大
  量生産のための栽培技術です。散布された農薬は、防除の目的を果た
  した後、日光による光分解や酸素や水との化学反応分解、風雨による
  洗い流し、作物の代謝による分解などで消失します。この点をぜひご
  理解いただきたいのです。
  では、お茶の残留農薬基準について説明します。
  国内で生産される農産物は、まず国の法律である食品衛生法に基づく
  残留基準(農作物中の農薬残留量の許容基準)と農薬取締法に基づく
  農薬登録保留基準(登録の可否を農薬残留量から決定する基準)が設
  定され、この両者によって安全性の確保がなされています。これらは、
  マウス等の動物実験結果に100倍程度の安全性を持たせた摂取無作
  用量(人体が一生摂取し続けても安全な量)を設定し、個々の農産物
  に残留し人体に摂取される農薬の総量が摂取無作用量以下になるよう
  農薬取締法に基づきそれぞれの農薬の使用基準を設定しています。
  さらに、最近増加している「食べるお茶」への対応として、すべての
  茶の農薬防除基準を、抹茶(湯ににすべて溶かして飲用します)など
  の覆下栽培茶(雨が直接茶園にかかりません)に準じた、より厳しい
  ものへと改正しました。分析方法も従来の熱湯浸出液を分析する方法
  から、製品の茶葉を直接分析する方法としました。それによって、使
  用禁止となった農薬や、収穫する葉には散布できない農薬が告知され、
  収穫前使用日数(収穫何日前までならば使用していいのか)の延長等
  の措置が取られ、経済連、農協を通じて各農家を指導しています。も
  ちろん改正する前も人体に害のない基準でした。
  また、県では年間を通して150検体の仕上茶を農薬分析の対象とし
  て無作為に抽出し、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤それぞれ、基準値以下
  になっているか調査しています。この検査においてこれまでに基準値
  をオーバーした例はありません。
  では基準値とはどれくらいなのでしょうか、農薬ごとにその値は変わ
  りますが、代表的な殺菌剤ダコニール(TPN水和剤)では1ppm
  です。ppmは100万分の1の濃度という意味です。わかりにくい
  ので距離でたとえますと、東京から下りの東海道・山陽新幹線に乗っ
  て西に出かけ、新幹線停車駅でいうと、山口県の小郡駅がほぼ1000km
  先となります。1000kmは100万mですから、1ppmは、東
  京駅を出発して1mのところを表します。しかし、その基準値は安全
  を考えた上限ですので、実際の分析値は、これを更に下回るものなの
  です。
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Q72.お茶を入れる時、一煎目を捨てて二煎目から使う人がいますが、
   何か意味があるのですか?農薬を気にしているとしたら、そうす
   ることのよって農薬は洗い流せるのですか?

A.残留農薬基準は人体に害のでない基準です。それを厳守していますの
  で、ぜひ一番おいしい一煎目からお飲みいただきたいものです。
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Q73.無農薬のお茶とそうでないお茶で入れた時、成分とかが違うので
   しょうか?

A.同じ条件で栽培、製造されたものであれば、変わるものではありません。
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Q74.無農薬茶を買ったのですが、とても安くてびっくりしました。無
   農薬だと手間がかかって割高になると思うのですが・・・?本当
   に農薬を使っていないのでしょうか?

A.無農薬栽培茶は、耐病虫害性のある品種や風通しのよい立地を第一条
  件に栽培を開始するのが一般的です。性フェロモンの利用による害虫
  の繁殖抑制やクモなど害虫の天敵利用による農薬に頼らない防除も研
  究されていますが、現状では特に収量の点でマイナス要素が多いもの
  です。収量が低いことはコストアップにつながるものですので、製品
  の価格が高くなるのも無理ありません。しかし、他の製品と差別化さ
  れた付加価値のある製品として市場では受け入れられているようです。
  価格については、流通形態によって違ってきますので何ともお答えで
  きません。
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Q75.無農薬茶についてのボーダーラインのようなものがあったら教え
   て下さい。

A.「無農薬」ばかりでなく、「有機栽培」も含めて、農林水産省がまと
  めた「有機農産物等特別表示ガイドライン」でその定義や内容表示が
  定められ、「緑茶の表示基準」にもその表示が義務付けられています。
  以下にその概要を示します。  ◇「有機農産物」の定義
   当該農産物の生産過程等において、化学合成農薬及び化学肥料と化
   学合成土壌改良資材を使用しない栽培法(必要最小限の化学合成資
   材の使用は認められる)によって3年以上を経過し、堆肥等による
   土作りを行ったほ場において収穫されたもの。
   転換後3年未満6ヶ月以上経過したものは「転換期間中」とする。

有機栽培茶の表示例
農林水産省ガイドラインによる表示
有機栽培茶(転換期間中有機栽培茶)
栽培責任者  ○○○○
住   所  ○○県○○町△△△
連 絡 先  電話番号
確認責任者  ○○○○
住   所  ○○県○○町△△△
連 絡 先  電話番号

 ◇「特別栽培農産物」の定義
   当該農産物の生産過程等の使用資材に着目した特別な栽培方法によ
   り生産された農産物(有機農産物及び転換期間中有機農産物に該当
   するものを除く。)であって「無農薬栽培農産物」、「無化学肥料
   栽培農産物」、「減農薬栽培農産物」及び「減化学肥料栽培農産物」
   をいう。

 ◇「無農薬栽培農産物」の定義
   「特別栽培農産物」のうち、当該農産物の生産過程等において、農
   薬を使用しない栽培方法により生産された農産物をいう。

無農薬栽培茶の表示例
農林水産省ガイドラインによる表示
無農薬栽培茶(化学肥料使用)
栽培責任者  ○○○○
住   所  ○○県○○町△△△
連 絡 先  電話番号
確認責任者  ○○○○
住   所  ○○県○○町△△△
連 絡 先  電話番号

  ◇「その他の特別栽培農産物」の定義
   その他、特別栽培農産物のうち、慣行的農薬使用のおおむね5割以
   下で生産されたものについて、農薬の使用状況を明記することを条
   件に「減農薬栽培生産物」と表示できる。また、化学肥料を使用し
   ないものを「無化学肥料栽培農産物」、慣行的化学肥料使用量のお
   おむね5割以下で生産されたものについて、化学肥料の使用状況を
   明記することを条件に「減化学肥料栽培農産物」と表示できる。
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Q76.外国産の農産物は農薬をたくさん使用していると聞きましたが、
   輸入されるお茶は大丈夫でしょうか?

A.輸入農産物は税関の検査で農薬分析がおこなわれています。これは日
  本国内の法律に準じて行われる検査ですので、日本国内で定められた
  農薬は検査できますが、未知の農薬については対応できません。しか
  し、輸入業者で現地の栽培指導をしていれば、国内で認められた農薬
  を基準に則って使用しているはずです。
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Q77.自宅の生け垣がお茶の樹なのですが、害虫はほとんど見受けられ
   ません。経営栽培の場合は害虫が発生して防除をすると思います
   が、これは自家消費のための小規模生産と大量生産の違いなので
   しょうか?

A.生け垣に使われていることから、ご質問の方のお宅の生け垣は、種
  から育てた在来種またはヤマチャと呼ばれる野生のお茶の樹と考えら
  れます。これらの樹は雑種といえるものですので、耐病性が強く虫を
  寄せ付けない素性を持っている樹と思われます。
  現在、経営栽培されている茶園の品種は品質を追求するあまり、この
  ような樹よりもはるかに葉肉が薄くやわらかく、病害虫害に弱いもの
  なのです。
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