国産鰻の安全性と品質について
1.シラスウナギ

シラスウナギ
 鰻は、万葉の昔より国民に親しまれている食べ物の一つで、鰻養殖の歴史も130余年にもわたります。
 しかし、鰻の生活史には謎が多く、その生態は完全には解明されておらず、産業として人工ふ化した鰻の稚魚(シラスウナギと呼ばれています)を養殖に用いることが出来ません。
 (試験研究段階では、天然資源に依存しない、完全養殖に成功しています。)
 このようなことから鰻養殖の生産者は、シラスウナギの確保を100%天然に依存しており、12月から4月までの期間に河川や海岸線で採ったシラスウナギを養殖しています。
 シラスウナギの体は透明で、長さは約6cm、つま楊枝程度で、その重さは約0.2gです。

2.養 殖
 鰻養殖池は、四角いコンクリートの池をビニールハウスでおおい、水温28℃前後に加温しています。
 なお、鰻養殖では、水産用水基準を満たした地下水(一部河川水)を用いて飼育しています。 
ハウス養殖
        ビニールハウス内
 生産者は、冬から春にかけて採れたシラスウナギを6ヶ月から1年半掛けて養殖し、0.2gのシラスウナギを1尾200gから300gに育てます。
 餌は、厳選された高品位な魚粉を主原料とした配合飼料で、これに水を加え、餅状にして与えます。養殖鰻の生産者が鰻に与えている配合飼料は、「飼料の安全性の確保及び品質改善に関する法律」(飼料安全法)により種々の規制を受け製造された安全な餌であります。

        池の中を泳ぐ鰻
 また、鰻が病気になった際に薬を投与することもありますが、その薬も薬事法により承認された医薬品しか使うことができず、鰻で使用可能な医薬品は、全部で6種類であり、その用法・用量、また使用後の休薬期間等についても厳しい規制があります。
 しかし、近年では、高価な医薬品代は養鰻経営を圧迫することからその使用量は減少しています。
 以前は、広大な露地池で鰻を養殖していましたが、近年の加温ハウス養殖では、露地池の時代に比べ飼育管理が容易となり、病気の発生率が下がり、また、病気が発生した際には、水温を33℃まで上昇させ病原菌を殺すなどの対策が取られています。

3.出 荷
 成長した鰻はいよいよ池から出荷されますが、日鰻連会員組合では、自主的に、出荷前の鰻を池からサンプリングし、医薬品の残留検査を行っています。
 この検査で、医薬品の残留がないことが確認されて始めて池から出荷されます。万が一、医薬品の残留が検出された場合は、出荷は延期となり再検査を受けなければなりません。
 また、組合員は、シラスウナギの導入から鰻の出荷までの生産過程を明確に記録・管理し、さかのぼって飼育状況等を確認できるトレーサビリティ(生産履歴管理)を行っています。

    医薬品の残留検査
 こうして安全性が確認された鰻は組合や流通業者の活かし場(いかしば)に運ばれ、サイズごとに選別され、身を引き締めるために数日間餌を与えず、シャワーの下に立てられ、生きた状態で蒲焼専門店や加工場等に出荷されます。

   サイズの選別

        活けしめ(いけしめ)

4.国内生産量と輸入量
 日本の養殖鰻生産量は、最盛期には約4万トンありましたが、ここ数年は、2万トン前後で推移しています。
 一方、外国の主な鰻生産国は、中国、台湾で、平成12年には両国合わせて13万トン以上の輸入がありました。
 日本の鰻消費量に係る統計はありませんが、日本の生産量と外国からの輸入量の合計を日本における鰻の年間消費量と推定しています。
 平成26年の日本の生産量は約1万8千トン、中国、台湾等からの輸入量が約2万トンとなっており、その合計は約3万8千トンで、日本の鰻生産量のシェアは約4.7割となっています。



最後に・・・

 土地や人件費、餌代、電気代等、諸経費の安価な中国や台湾とコストで競争をしても適うものではありません。日本の養殖鰻の生産者は、消費者の皆様に安全で安心、そして高品位な鰻を提供することを使命と考え、日夜努力しております。


 日本養鰻漁業協同組合連合会
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