たいしゃく様(嶽之下宮)

嶽之下宮の本殿と帝釈殿
(左)本殿   (右)帝釈殿

 嶽之下宮は大山祇神、天之御中主神(たいしゃく様)、尊氏親王の御三柱を始めとする神々と、奥宮様に大国主命、事代主神をお祀りしております社です。
 霊峰富士と箱根連山を一望するこの地”竹之下”は、太平記にも記されております”箱根竹之下の合戦”において、歴史に残る壮絶な戦いが繰り広げられ、幾多の血が流された霊地です。
 嶽之下宮はこの霊地に祓いの神様として、山の信仰を根底に、福徳円満、長寿、殖産興業等、多方面に亘る御神徳の昂揚の場として在り,足柄駅にも近く気軽に立ち寄ることができます。

奥宮様竣工の記念像
昭和61年奥宮様竣工記念の神様

 嶽之下宮には3つの祈りの場があります。平成元年御造営の、太陽の光に包まれ明るく荘巌な”御本殿”。そして、南北朝時代「箱根竹之下の合戦」の戦場となった「戦ケ入り」に祀られた”奥宮様”。3つめが100年あまりの時を待ち、平成15年12月9日に御遷座された「たいしゃく様」をお祀りする”帝釈殿”です。

帝釈殿の内部 帝釈殿内より外を眺める
帝釈殿の内部 帝釈殿内より外を眺める
太陽を表す赤い円に金箔の
さざ波模様が美しい

 ”帝釈殿”の漆塗りの天井には、田口善国先生が神様のお告げを受け、2000年4月17日午後8時の宇宙から見た北極点を中心とした星座が描かれています。星々は147個の真珠と、359個の螺鈿によって描かれ、龍座・大熊座・牡羊座は黄金のオブジェで表現されています。
 正面ガラスに施された金箔を始めとする金色と、漆の赤で意匠された”帝釈殿”は、語りつがれた数百年の歴史を経て、今へと繋ぐ人々の祈りの空間です。

帝釈殿の天井構想図と金箔合わせガラス 銀製金箔貼りの牡羊座
田口善国先生直筆の天井構想スケッチ図(左)と
金箔合わせガラス(右)
銀製金箔貼りの牡羊座

たいしゃく様の由来書 【竹の下八幡不知】
 足柄村竹の下に、最も不可思議なる八幡知らずの森あり、其地は足柄村竹の下字狛畑にある。サイ(くさかんむりに最の字)爾たる一丘上の小叢林たり、土人喚て「たいしゃく様」と云う、所謂「たいしゃく」なる語も口に傳へたるのみにて、如何の意義なるや不詳に屬す、帝釈天として祭りたるものか、此森昔より人の入りたるものなし、口碑云、此森に入れば必ず祟りありと、村人堅く戒めて絶て入るものなし、故に森の中何等の状をなし居るや一切知るものなし、周圓よりは樹木茂生して洞見するを得ず、或は云ふ此地は古戦場なるを以て、戦死者の古墳墓なるべきかと、村人皆祟を怖れて樹枝枯木と雖も曾て採るものなく、亦敢て近くものなし、是彼の下總の八幡知らずの森と好一對の奇蹟にして、其所傳も亦殆と同一の口碑に屬せり、地域内には特に巨樹老木なきも、雑樹篠竹密生して、自然に陰悽の氣、人を襲ふの感あらしむといふ、傳ふ所の口碑も何れの時代に起れるか故老の之を知るものなし(以下略)。

静岡県郷土誌叢刊 『静岡県駿東郡誌』 臨川書店刊 より

竹之下周辺古地図
嶽之下宮所蔵の竹之下周辺古地図(江戸時代)
は「たいしゃく様」の位置


嶽之下宮周辺案内図