◆富士登山

富士登山  富士登山口としては、富士宮口・富士吉田口・御殿場口・須走口などがありますが、中でも須走口は初心者にも易しい登山口として人気があります。
 須走登山道は、東麓の須走から、頂上火口を隔て剣ケ峯の対岸にある久須志岳まで登るコースで、途中本8合で富士吉田口登山道と合流して山頂に至ります。
 須走までのバスや車の利用は、運行状況と道路事情を事前に確認しておきましょう。夏の登山期間には古御岳(5合)まではバスがあり、冬季以外には車も利用できますから通常登山はここから始まります。
 他の登山道に比較して、森林限界が2,700メートルと高いため、植物にも恵まれ傾斜も緩やかで歩きやすくなっています。規則正しい間隔で現れる山小屋(石室)ごとに、短時間の休憩をとりながら登れば、本8合まではあまり苦労しないで登れるはずです。
 落石事故などを防止するため、登山道とは別に砂走りと呼ぶ下山道が設けられていて、石ころ混じりの砂礫の道ですが比較的短時間で下山することができる人気の場所です。下山の際、注意しなければならないのは、本8合で自分の目的地が須走か富士吉田かをはっきりと確認することです。

◆小富士ハイキングコース

夏の小富士
 標高1,979メートルの小富士は、富士山東裾の側火山。須走までのバスや車の利用は、運行状況と道路事情を事前に確認しておきましょう。須走口登山道古御岳(5合)まではバスか車を利用することになります。
 古御嶽神社の前から入る小富士への遊歩道は、1時間で十分往復できるコースであり、コメツガ、ダケカンバなどの樹林の中にクルマユリ、タケシマラン、ツバメオモトなど希少な植物も多く、絶好の自然観察コースとなっています。
 富士山頂や山裾の雄大な風景を楽しむことのできる砂礫の山頂付近には、ムラサキモメンズルやメイゲツソウなどの先駆植物が頑強な生命力を誇示しています。
 この付近は、毎年秋になるとキノコとりの人々が道に迷う遭難事故があるように道をはずすと危険です。かっては馬返しからの道もありましたが、豪雨後の出水などで地形が変わるほどの被害を受け廃道になっています。迷いやすく利用は危険です。

◆富士山グランドキャニオン

秋のグランドキャニオン  小富士西側の山稜を下ると、雪しろ道(融雪流)が深い谷を形成しています。旧1合目横では断崖絶壁となり、そこでは激しい富士山噴火の歴史を、地層が談ってくれます。
 最近『和製グランドキャニオン』の名がつけられました。確かに一見に値する、富士山東口登山道の名所です。そこでは時折、日本カモシカの姿を見る事ができます。これを少し下れば馬返しの平地に出る事ができます。またハイキングの際は、迷いやすい場所があるので山小屋等にお尋ねください。

◆野鳥たちとの出会い

須走高原の野鳥(カワセミ)  小山町須走は、標高700mの山地から富士山須走登山道の亜高山帯1500m、高山帯2000m以上で、森林限界附近まで多くの野鳥達が生息し野鳥の宝庫となっています。現在、約32科100種類の野鳥を確認していますが、野鳥は自然環境や林相の変化によって種類や個体数に変動があります。
 富士山には、春、日本に飛来し、夏、富士山で繁殖し、秋に移動する夏鳥や、夏や冬でも一年中同じ場所で生息している留鳥がいます。
 富士山の冬は厳しいため、亜高山や高山に生息している野鳥達の中には、国内の山地や平地の温暖な場所へ移動する漂鳥、そして、ロシア、中国などの北の国で繁殖して、冬、日本で越冬し、春になると北へ移動する冬鳥などもいます。
 厳寒期の亜高山や高山では野鳥が生息できないため、須走高原で多くの冬鳥(山野の鳥)を観察することができます。
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◆東口(須走口)登山道の植物を楽しむ

須走口登山道の植物写真  富士山は植物の垂直分布(山の高さによって気温が変わるために植物の種類が変わること)で、その変化が面白いことで有名です。
 【山地帯】700m〜1500m(須走高原)から馬返し(1370m)附近はスギ、ヒノキの人工林やススキの草原、多くの落葉広葉樹林などの自然が豊で、富士山を象徴するフジアザミを見ることもできます。又、富士山に向って一直線に延びる登山道の松並木は素晴らしい景観です。
 【亜高山帯】1500m〜2500m 馬返しを過ぎて2合目附近までは、落葉広葉樹林が多く、2合目を過ぎると落葉広葉樹林から針葉樹林へと植生の変化が見られる地域で、陽樹林のカラマツや陰樹林のウラジロモミ、シラビソ、コメツガなどが多くなっています。
 【高山帯】高山帯では厳しい環境に生きられる限られた、小数の植物しか生息せず、標高2500mから森林限界まではダケカンバ、ミヤマハンノキ、カラマツなどの低木樹林となります。又、残念ながら富士山では、日本アルプスなどの高山に比べ高山植物の種類が少ないと云われています(富士山は氷河期が終わっても噴火を繰り返した新しい火山で、氷河時代の植物が生き残れなかったためと云われています)。
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◆ふじあざみラインと周辺の名所・史跡めぐり

須走の冨士浅間神社  頂上を目指す富士登山をする時は、新5合目までバスや車を利用するのが殆どですので、ふじみあざみライン(須走登山道入口から新5合目駐車場までの11.8Km)は素通りすることになりますが、須走口は富士登山道として古くから開かれており、富士講の人達で賑わった場所でもあり、また須走宿が甲州(山梨県)との街道の重要な拠点であったことから、多くの史跡もあります。
 夏山登山以外に、ゆっくりと往時を偲びながら、ふじあざみラインとその周辺の散策を楽しむのもお勧めです。多くの山小屋が夏山閉山と一緒に閉じられますが、5合目の山小屋では雪が降る頃まで利用できる小屋もありますので、夏山以外でのハイキング等に利用されてはいかがでしょうか。
  ふじあざみラインの案内(←クリック)
  登山道周辺の史跡案内(←クリック)